今から長期投資を始めるなら「全世界株式インデックス」「金」の2つだけを購入すれば良い?
こんにちは、ゾノ( @ozonosho )です。
投資の勉強をはじめてから約1カ月半が経ちました。
成績としては、約700万円の投資資金からはじめて、たくさんの紆余曲折を経て1カ月半で100万円ほど増えました。
成績はともかくとして、この1カ月半、投資や経済に関して様々な知識を学びました。
株式の歴史、通貨の歴史、金の歴史、各国の経済の歴史、バブルの歴史などを学び、そして、たくさんの投資レポートを読み漁りました。
各国の歴史を学ぶのって面白いですね。学生のときは世界史なんてまったく興味を持てなかったのに今ホント面白く感じるので不思議です。もはや投資そっちのけで世界史を勉強していますw
・・・話が脱線しましたが、投資や経済について色々と勉強した結果、僕のなかで投資の戦略が定まってきました。
あくまで【現時点】での考えになりますが、一旦残しておきたいと思ったのでこのコラムにまとめます。
- 目次
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1.投資は「長期&分散」でこそ本領を発揮する
2.長期投資でやってはいけないこと
3.過去の成績だけを見るなら米株分散投資1択だけど…
4.15年以上の長期投資なら「全世界株式インデックス」「金」の2つ
5.【おまけ】資産の一部は短中期の投資にまわして投資力を上げる実験中
投資は「長期&分散」でこそ本領を発揮する
まず、投資には短期的なトレードでリターンを求める短期投資と、保有したまま継続的な値上がりリターンを求める長期投資の2種類があります。
どちらが素晴らしいというわけではなく、どちらにもメリット・デメリットがあります。
長期投資では安定的に資産価値が増えてくれることが重要なので、年率10%も増えれば素晴らしいと言われています。
それにたいして、ボラティリティ(価格変動幅)が大きな投資対象に短期的なトレードをおこなえば短期間で資金が2倍になることもあります。もちろん短期間で半分になることもありますが…w
つまり、長期投資と短期投資ではそもそもリスクリターンとして求めるものが違うわけです。
ここで長期投資に良いとおすすめされている「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」の価格推移を見てみましょう。
(2000年から今日までの価格推移)
バンガード・トータル・ワールド・ストックETFは全世界の株式に分散投資してくれるETFです。
2000年頃に取り扱いが始まったETFなので歴史はまだ浅いですが、2020年8月22日の今日に至るまでを長期的に見ると安定して価格が上昇し続けているのが分かると思います。
ちなみに、バンガード・トータル・ワールド・ストックETFが長期投資に向いているのは、全世界の経済に連動する形で分散投資をおこなってくれるからです。
個別の企業単位で見れば倒産することもありますが、全世界で見れば経済は基本的に上向きに上がっていくため、長期&分散で投資することでリスクを下げつつ資金を増やすことができます。
続いて、僕も短期トレードをよくおこなう「ビットコイン」の価格推移を見てみましょう。
(2012年から今日までの価格推移)
こちらはビットコインが取引所で売買できるようになった2012年頃からの価格推移チャートです。
先ほどのバンガード・トータル・ワールド・ストックETFに比べると安定的に価格が上昇し続けているとは言えませんが、価格が上昇するときの変動率やスピードは凄まじいことが分かります。
そのため、価格上昇の流れにのってトレードできれば資産を短期間で一気に増やすことができます。
もしあなたが資金を短期間で2倍に増やしたい場合、短期間で資金を半分失うリスクを冒せるなら、ビットコインのようにボラティリティの大きな投資対象に短期トレードをおこなうほうが良いかもしれません。
ただし、あなたの目的が期間は問わず資金を2倍に増やすことなら、バンガード・トータル・ワールド・ストックETFに長期投資をおこなったほうが成功確率は高いです。
しかも、バンガード・トータル・ワールド・ストックETFは定期的に分配金(=株の配当金)が出るため、分配金も投資費用に回せば上のチャートより更にリターンが上がります。
長期投資でやってはいけないこと
投資に関する本をたくさん読んでみると、本によっておすすめしている投資方法が異なることに気付きます。
長期投資においてアメリカ株分散投資をおすすめしている本もあれば、全世界株分散投資をおすすめしている本もあるし、債券やコモディティを含めた分散投資をおすすめしている本もあります。
(ちなみにどの方法でもある程度の成果が上がっています)
このあたりはリスク許容度によっても答えが変わるので、万人に共通の正解は無いのかもしれません。
ただ、どの本でもやってはいけないことはある程度共通しているんですよね。
それは以下の2つです。
①こまめにトレードしてしまうこと
投資には、インデックス運用(パッシブ運用)とアクティブ運用の2種類があります。
インデックス運用は、日経平均やダウ平均など特定の指数に連動する価格を目指す運用です。先ほど紹介したバンガード・トータル・ワールド・ストックETFは全世界の株価に連動するので、購入して放置していればインデックス運用になります。
それにたいして、投資商品の入れ替えやトレードをこまめにおこない運用成績の向上を目指すのがアクティブ運用になります。
株価の値動きには波があるので一見すると波をとらえてアクティブ運用するほうが大きなリターンを見込めそうに思いますが、ファンドの投資結果をみると過去15年間の期間で見るとアクティブ運用がインデックス運用を上回ったケースは僅か18%しかありません。
(参考:父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え)
さらに、過去30年間の期間で見るとアクティブ運用がインデックス運用を上回ったケースは僅か1%とのことです。
これはファンドの投資結果なので、投資のプロでも長期的にみると100人に1人しかインデックス運用に勝てないわけです
そんなわけで、あなたが100人に1人の才能を持つアクティブ運用のプロでも無い限り、長期投資をするならこまめにトレードなんかせずにただ保有しておくだけのほうが大きなリターンを得られる可能性は高いです。
②10年未満で辞めてしまうこと
長期投資は安定的に年率数パーセントの利回りを目指す運用のため、年を重ねるごとに複利の力が大きく働きます。
たとえば100万円に年率10%の利回りがついた場合、1年後には元金に10%の利回り10万円がついて110万円になり、2年後には増えた110万円に10%の利回り11万円がついて121万円になるというように、雪だるま式に元金が増えていきます。
仮に年率10%の利回りが見込める投資商品を100万円で購入して放置した場合、下記のように資金が増えていきます。
投資開始 | 100万円 |
---|---|
1年後 | 110万円(+10万円) |
2年後 | 121万円(+21万円) |
3年後 | 133万円(+33万円) |
4年後 | 147万円(+47万円) |
5年後 | 161万円(+61万円) |
10年後 | 260万円(+160万円) |
15年後 | 418万円(+318万円) |
20年後 | 673万円(+573万円) |
25年後 | 1,084万円(+984万円) |
30年後 | 1,735万円(+1635万円) |
50年後 | 11,740万円(+11640万円) |
ちなみに、先ほど紹介したバンガード・トータル・ワールド・ストックETFの過去10年間の平均利回りは年率9.03%なので、上記の年率10%利回りに近いです。
見ていただくと分かるとおり、元々は100万円だった資金が年を重ねるごとに複利の力で増えていき、10年経てば2倍になり、30年経つと17倍、50年も経つと117倍にまで増えることが分かります。
10年で2倍だったら30年で6倍になりそうなものですが、一気に17倍にまで増えるところが複利の凄まじい力です。
そんなわけで、10年を超えてから複利の効果がますます大きくなってくるので長期投資をすると決めたら最低15年以上できれば30年以上保有することが大切です。
もし10年未満で長期投資を辞めてしまうと複利の恩恵を受け始められる前のタイミングで辞めることになるので、長期投資としては非常にもったいない選択と言えるでしょう。
過去の成績だけを見るなら米株分散投資1択だけど…
ここまでの流れを踏まえると、リスクを下げて大きなリターンを目指すなら「投資は長期&分散することが大切!」だと言えると思います
最後に残る課題は、『何に投資をするべきか』ということです。
先ほども書いたとおり、投資で成功している人たちのおすすめ投資商品を見ても人それぞれなので共通解はありません。
ただ、過去のパフォーマンスだけを見ると「S&P500に積み立てするのが良い」というのが通説ではあります。
S&P500というのは、アメリカの代表的な500銘柄の株価を浮動株調整後の時価総額比率で加重平均して指数化したものです。要は、アメリカで主要な500企業の株価に連動する指数です。
S&P500の過去30年間の平均利回りは年率9.9%(配当含む)なので、ほぼ先ほどの表のとおり30年間で100万が約1,700万円にまで増えます。
そのため、長期投資をおこなう投資家の多くがS&P500連動型の商品に投資しています。
ただ、これはあくまでも過去30年間アメリカが経済1位の国として地位を築いていたからの結果でもあります。
僕個人としては、これからの30年間の投資先を考えるうえでは下記の点も加味する必要があると感じます、
・2030年には中国の名目GDPがアメリカの名目GDPを超える予測であること
・2030年以降は世界経済の中心が中国やインドを含むアジアになること
・アメリカは年々通貨供給量を増やしドルへの信頼が揺らいできていること
こういった要素も踏まえると、これから投資をはじめるうえで「アメリカ株1択」に投資するというのは、マクロな目線で見たときに分散投資とは言えないように感じます。
現在は米ドルが世界の基軸通貨になっていますが、歴史的にいえばその歴史は浅く、第二次世界大戦直後までは英ポンドが世界の基軸通貨でした。それは、当時イギリスが経済1位の国だったからです。
1933年に金本位制度が廃止されて以来、通貨の信頼は国の経済の強さに紐づいているといっても過言ではなく、経済1位の国がアメリカから中国に移ろうとしている今、米ドルの基軸通貨としての信頼は年々揺らいできています。
直近では金の価格が史上最高値を突破しました。
金は供給量が人為的に増やせず、特定の国と紐づかない資産のため、経済の先行きが不透明になったり通貨への不信感が上がるほど購入される傾向が上がります。
そもそも米ドルが本当に揺るぎないものとして信頼されているなら、みんな資産を金ではなく米ドルに換金するはずなので、金の価格が上昇しているのは、金の価値が上がったせいではなく世界経済や米ドルへの不信感が上がっていることが原因だと言えます。
実際、多くの投資ファンドがポートフォリオの一部に金を組み込み始めているというレポートが挙がっています。
15年以上の長期投資なら「全世界株式インデックス」「金」の2つ
ここまでの内容を踏まえて僕が出した結論は…!
タイトルにもあるとおり、今から長期投資を始めるなら「全世界株式インデックス」「金」の2つがおすすめです。
全世界株式インデックスとは、本コラムで紹介した「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」のように世界中の株に分散投資できる商品です。
一国単位でみると先行きの不透明さはありますが、世界全体として見れば経済は常に成長し続けてきたし、人類がより快適な生活を望んでこれまで発展してきたことを考えると、これからも世界の経済は成長し続けていくと思います。
そのため、世界経済に連動する全世界株式インデックスは長期投資としてリスクリターンが良い投資商品だと感じます。
また、今後10年で経済の中心がアメリカからアジアへ移行していくことを考えると、政治面でも経済面でもさまざまな出来事が起き、その都度リスクヘッジとして「金」への資金避難が増えることが予想されます。
しかも通貨の供給量は世界的に増え続けているため、それに比例して供給量の限られている金の価値は相対的に増していくと考えられます。
そんなわけで、僕個人の見解としては「全世界株式インデックス」「金」の2つに長期投資するというのは投資戦略としてありだと考えています。
保有割合は基本1:1として、世界経済に不安が蔓延するフェーズでは金の保有量を増やし、世界経済が安定しているフェーズでは株の保有量を増やすというのが良いかもしれません。
あるいはリバランスを大事にして、世界経済に不安が蔓延して金の価格が高騰したら増えた分を株に移動し、世界経済が安定して株の価格が高騰したら増えた分を金に移動し、常に1:1の比率になるようリバランスする戦略も良いと思います。
僕は後者の戦略を取ろうと考えています。
※補足①
本コラムで紹介した「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」は日本の証券口座からは購入できないため、日本で購入する場合は「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」が手数料が低くてつみたてNISAにも対応しているのでおすすめです。
※補足②
金を購入する場合は、金の現物を購入すると手数料が高くなるため金の価格に連動するETFがおすすめです。日本で購入する場合は「純金上場信託 1540」だと取扱高が大きく、金現物との交換保証もあるので良いと思います。
【おまけ】資産の一部は短中期の投資にまわして投資力を上げる実験中
さて、ここからは余談です。
ここまでに書いた理由から、僕は「全世界株式インデックス」「金」の2つを購入して放置しています。厳密に言うと、投資に回せる資金が増えたら追加で購入することはありますが、売って減らすようなことはしません。
とはいえ、せっかく世界経済の勉強をしたのに「全世界株式インデックス」「金」の2つを購入して30年間待つだけというのは寂しすぎるので、資産の一部は短中期の投資に回しています。
世界経済の勉強してると「30年先は分からないけど今後5年ぐらいはこの流れが続きそうだな」とか「米中の関係が悪化したらこの国の経済が一気に発展しそうだな」とか思うことがあるんですよね。
そんなわけで、中期の投資対象としては株で言えば「半導体セクターETF」「インドETF」「ベトナムETF」を保有したり、コモディティは金の他に「ビットコイン」を保有したりしています。
また、直近だとアメリカの大統領選挙でバイデン氏が勝利したら「中国ETF」を購入し、トランプ氏が勝利したら「防衛セクターETF」または「ロッキード・マーティン株」を購入する予定です。
その他、テクニカル的に買いだと思ったら個別株の短期投資もおこない、短期×ミクロ~長期×マクロの投資まで色々と実験しています。
これらの実験をつうじて投資の視座を上げることができたらこのコラムもバージョンアップさせようと思っているので、興味があれば是非また覗いてみてください。
以上、それでは本日も素敵な1日をお過ごしください(*´`)