不安と焦りに襲われている時に「怖いと思う方向へ進む勇気」をくれた本の話
おはようございます、ゾノ( @ozonosho )です。
さて、今日はお休みなのでオフっぽい話を書こうと思います。
僕がうつ病まっさかりで不安と焦りに襲われる日々を過ごしていたときに、怖いと思う方向へ進む勇気をくれた本の話です。
不安なときほど、世間的に良いと言われるほうに流れそうになる
僕はうつ病になる前、飲食店を経営していました。
24歳で会社を辞めて飲食店を独立開業したとき、僕は生まれてはじめて自分の人生に100%の責任を負って何かを決断した気がします。
そうやって進んだ世界は、起こることすべてが自分事。うまくいかないのも、うまくいくのも、うまくいかせるのも、全部が自分次第でした。
言い逃れできない苦しさもたくさんあったけれど、涙するほどの喜びもたくさんありました。
その喜びを知った後、僕は人間関係の悩みからうつ病になり、最後は経営すらも嫌になってお店をたたみました。
毎日のすべての時間を割いていたお店がなくなったので、僕にはうつ病とやることのない時間だけが残りました。
こればかりは経験しないとなかなかイメージできないと思いますが、
・精神状態が良くない
・やりたいことも分からない
・それなのに時間だけは膨大にある
というのは通称「恐怖の3点セット」と呼ばれていて(僕が命名w)ほんっとーーに残酷な状況です。
自分がどうやって生きていけば良いのかも分からず、それを考えたり試したりするパワーも沸かないので、未来には不安しか感じられません。
『うつ病のときは休んだらいい』
そんな言葉は嫌というほど聞きましたが、不安と焦りしかない状況で心から休むなんて絶対に無理でした。
不安や焦りから解放されたいという気持ちから、僕は何度も「やりたいことは分からないけどとりあえず正社員になったほうが良いのかな…」という、自分の声じゃないような声に従いそうになりました。
だけど僕の心は、不安ベースではなくやりたいことベースで選んだ先の世界には涙するほどの喜びがあることをすでに知ってしまっていました。
だから僕の心は、僕が不安に流されそうになるたびに「不安に従っちゃダメだ」と僕に言い続けました。
傷つくことを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいもの
僕が『アルケミスト』という本に出会ったのは、そんな葛藤を続けているときでした。
不安や焦りに襲われるなかで「傷つくことを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだ」ということを教えてくれた本です。
アルケミストは、宝物を探して旅にでる羊飼いの少年の話です。
本の一節だけご紹介します。
※アルケミストの一節
「僕の心は裏切り者です」
馬を休ませるために止まった時、少年は錬金術師に言った。
「心は僕に旅を続けてほしくないのです」「それはそうだ」と錬金術師は答えた。
「夢を追求してゆくと、おまえが今までに得たものをすべて失うかもしれないと、心は恐れているのだ」
「それならば、なぜ、僕の心に耳を傾けなくてはならないのですか?」
「なぜならば、心を黙らせることはできないからだ。たとえおまえが心の言うことを聞かなかった振りをしても、それはおまえの中にいつもいて、おまえが人生や世界をどう考えているか、くり返し言い続けるものだ」
「たとえ、僕に反逆したとしても、聞かねばならないのですか?」
「反逆とは、思いがけずやって来るものだ。もしおまえが自分の心をよく知っていれば、心はおまえに反逆することはできない。なぜならば、おまえは心の夢と望みを知り、それにどう対処すればいいか、知っているからだ。おまえは自分の心から、決して逃げることはできない。だから、心が言わねばならないことを聞いた方がいい。そうすれば、不意の反逆を恐れずにすむ」
「僕の心は、傷つくのを恐れています」ある晩、月のない空を眺めている時、少年は錬金術師に言った。
~中略~
<時々私は不満を言うけれど>
と心はいった。
<私は人の心ですからね。人の心とはそうしたものです。人は、自分の一番大切な夢を追及するのがこわいのです。自分はそれに値しないと感じているのか、自分はそれを達成できないと感じているからです。永遠に去ってゆく恋人や、楽しいはずだったのにそうならなかったときのことや、見つかったかもしれないのに永久に砂に埋もれた宝物のことを考えただけで、人の心はこわくてたまりません。なぜなら、こうしたことが本当に起こると、非常に傷つくからです。>
少年は錬金術師に言った。
「僕の心は、傷つくのを恐れています」
「傷つくのを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだと、おまえの心に言ってやるがよい。夢を追求している時は、心は決して傷つかない。それは、追求の一瞬一瞬が神との出会いであり、永遠との出会いだからだ」
~中略~
「本気で宝物を探している時には、僕はその途中でたくさんのものを発見した。それは、羊飼いには不可能だと思えることに挑戦する勇気がなかったならば、決して発見することができなかったものだった」
うつ病がいきなり治まるわけではないので、この本を読んでからも相変わらず不安と焦りに脅かされる毎日は続きました。
ただ、この本を読んだおかげで「不安だけど怖いと思う方向へ進みたい」という気持ちだけはハッキリしました。
同じような葛藤を抱えている方には勇気をくれる本だと思うので、興味があればぜひ読んでみてください^^
以上、それでは今日も良い一日をお過ごしください(*´`)