インターネット異性紹介事業とは?届出の作成から受理までの流れを完全解説【法人版】
こんにちは、ゾノ( @ozonosho )です。
今日のブログではインターネット異性紹介事業について届出の作成から受理までの流れを完全解説いたします。
先にお伝えしておくと、僕は恋愛応援アプリ『Piece』というサービスを運営するためにインターネット異性紹介事業の届出をおこない、2018年6月30日に受理していただきました。
届出の作成や提出をおこなううえで分からないことや二度手間になることが多々あり苦労したので、、、これから提出される方のためにおさえるべきポイントをお伝えしたいと思います。
ちなみに僕は法人として提出したのでここで紹介するのは法人の場合の提出方法になりますが、個人の方でも共通して利用できる箇所が多分にありますので参考にしていただけると幸いです。
- 目次
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1.そもそもインターネット異性紹介事業とは?
2.まずは届出に必要な書類をすべて揃えよう
3.管轄の警視庁を調べてアポを必ず取ろう
4.18歳未満でないことの確認方法を明確にしたうえでいざ提出にいこう
5.おわりに
インターネット異性紹介事業とは?
そもそも「インターネット異性紹介事業」とは何かというと、文字どおりweb上で異性が交際を目的として知り合う場を提供するサービスのことを指します。
厳密には下記の4要件をすべて満たす事業をいいます。
(1)面識のない異性との交際を希望する者(異性交際希望者といいます。)の求めに応じて、その者の異性交際に関する情報をインターネット上の電子掲示板に掲載するサービスを提供していること。
(2)異性交際希望者の異性交際に関する情報を公衆が閲覧できるサービスであること。
(3)インターネット上の電子掲示板に掲載された情報を閲覧した異性交際希望者が、その情報を掲載した異性交際希望者と電子メール等を利用して相互に連絡することができるようにするサービスであること。
(4)有償、無償を問わず、これらのサービスを反復継続して提供していること。
※警視庁HPより
大手企業が運営するマッチングサイトを含め、一般的に「出会い系」といわれるサービスはすべてインターネット異性紹介事業に当てはまります。
そしてインターネット異性紹介事業をおこなう個人・法人は、平成20年12月1日に施行された「改正出会い系サイト規制法」により営業開始の前日までにインターネット異性紹介事業の届出が必須となりました。
ちなみに出会い系サイト規制法とは、児童買春その他の犯罪から児童を保護するための法律です。
インターネット異性紹介事業の届出を提出せずに異性紹介事業を運営した場合は罰則を受けてしまいますので、営業開始前に必ず届出を提出しましょう。
まずは届出に必要な書類をすべて揃えよう
法人の場合、届出には下記8つの書類が必要です。
- 事業開始届出書
- 住民票の写し(役員全員分)
- 身分証明書(役員全員分)
- 登記されていないことの証明書
- 送信元識別符号を使用する権限があることを疎明する資料
- 定款の謄本
- 登記事項証明書
- 誓約書(役員全員分)
上記書類の中には自分で作成するものもあれば各配布場所で取得するものもあるので、すべて用意するだけで結構大変でした。
それぞれ説明していきます。
①事業開始届出書
事業開始届出書は、警視庁HPよりフォーマットを取得できるものになります。
東京都の場合はこちらのページよりフォーマットを取得できるので、すべての記入欄を埋めましょう。
尚、東京都の警視庁HPには記載方法が記されていませんが大阪府などの警視庁HPには記載例も用意されているので、こちらを参考にしながら記入すると良いでしょう。
▽大阪府警視庁HPにある記載例
事業開始届出書の記入にはいくつか気をつけるポイントがあるので下記にまとめます。
- ポイント①:提出日は記入しないでおく
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後ほど触れますが、警視庁に提出する日程はこちらの都合だけで決めることはできず、また提出書類のどれか1つにでも不備があった場合は再度1から申請し直しになるため、提出日だけは警視庁に提出する当日にその場で記載するようにしましょう。
(実際に僕は警視庁の方に「提出日は記載しないほうがいい」と伝えられました)
- ポイント②:氏名・住所は登記事項証明書の内容と完全一致させる
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登記事項証明書の住所が「渋谷区一丁目二番三号」の場合、意味合いは同じでも「渋谷区1-2-3」と記入すると不備と判断され、1から申請用紙を作り直すことになります。(体験談)
事業開始届出書の氏名・住所は登記事項証明書の内容と完全に一致させるよう気をつけましょう。
- ポイント③:児童でないことの確認の方法はしっかり記載する
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後にも書きますが、警視庁が特に気にする点は「18歳未満の児童がサービスを使用できないように徹底管理されているか」です。
先に紹介した大阪府警視庁の記載例を確認し、指定された年齢確認方法のうちいずれかをしっかり記載するようにしましょう。
②住民票の写し(役員全員分)
住民票の写しは、お住まいの地域の区役所で取得できるものになります。
注意点としては「本籍が記載されているもの」「外国人の場合は、国籍等を記載したもの」の2点を満たす必要があります。
住民票の住所は事業開始届出書の代表者欄に記載した住所と同じものである必要があるため、もし現在お住まいの住所に住民票を移していない場合は先に移してしまいましょう。
尚、法人の場合は役員全員分の住民票の写しが必要となります。
③身分証明書
身分証明書は、住民票とは異なり本籍のある地区の区役所で取得するものになります。
たとえば今の住まいが東京で住民票の住所も東京だとしても、本籍地が福岡県なら福岡県でしか取得できないので注意が必要です。
ただし、配偶者・父母・祖父母・子・孫が本人から頼まれて請求する場合は委任状不要で取得できるため、委任して取得することも可能です。
尚、法人の場合は役員全員分の身分証明書が必要となります。
ちなみに身分証明書は「破産者名簿に記載がないこと」や「後見の登記の通知を受けていないこと」などを証明するものです。
④登記されていないことの証明書
登記されていないことの証明書は、法務局本局で取得するものになります。
法務局本局の所在地は法務局HPよりご確認ください。尚、東京の場合は九段下駅にある「東京法務局」にて取得できます。
ちなみに、登記されていないことの証明書は、届出の申請の際に欠格事由の一つ(成年被後見人・被保佐人等)に該当していないことを証明するために使用するものです。
⑤送信元識別符号を使用する権限があることを疎明する資料
送信元識別符号を使用する権限があることを疎明する資料は、提供するサイトのドメイン管理者が自分であることを証明するための資料です。
具体的には、ドメインの所有者情報を表示したページ(=届出を出す法人が所有者であることが分かるページ)を印刷したものを用意すれば大丈夫です。
該当のページはドメインを契約したサービス(お名前comやムームードメインなど)で表示できます。
⑥定款の謄本
定款の謄本は、定款の内容の末尾にインターネット紹介事業を営むことができる旨を記載したうえで謄本化したものとなります。
警視庁の提示する参考資料のとおり、定款の内容を複写したうえで末尾に会社代表者の奥書を記載し押印したものになります。
謄本化については、すべてのページをまとめてホッチキス止めしたうえで各ページに割印を押印してください。
もし顧問税理士がいる場合にはお願いすれば作成してくれると思います。
⑦登記事項証明書
登記事項証明書は全国どこの法務局でも取得できるものになります。
そのため、まだ取得していない場合は「④登記されていないことの証明書」の取得時に一緒に取得するのが良いでしょう。
大前提として登記事項証明書の目的欄にインターネット異性紹介事業を営むことができる旨の記載が必要なので、もし事業内容にその旨が含まれていない場合は先に定款内容変更の手続きが必要になります。
⑧誓約書(役員全員分)
誓約書は、ご自身で作成するものになります。
警視庁HPに「誓約書フォーマット」と「注意事項」が掲載されているので、こちらの内容を参考にして作成します。
尚、法人の場合は役員全員分の誓約書が必要となります。
ちなみに誓約書は当該サービスにおける法律を遵守した事業者であることを成約する書面になります。
管轄の警視庁を調べてアポを必ず取ろう
届出に必要な書類がすべて揃ったら、実際に警視庁に提出にいきます。
ここで重要なのは管轄の警視庁を調べて、必ずアポを先に取ることです。
ちなみにアポを取らずに直接伺うと、少なくとも僕の場合は対応してもらうことができませんでした。法務局や区役所にいくときと同じ感覚で直接伺ったら、警視庁の方は本業が別なので事前予約が必須とのことでした。
管轄の警視庁については、警視庁のHPに記載されています。
東京都の場合、こちらのページで確認することができます。
アポを取る際には、ご自身の事業所の所在地を管轄している警視庁に電話をして「少年係」の担当者に取り次いでもらってください。
あとは担当者の方と届出の提出日時を調整すればOKです。
18歳未満でないことの確認方法を明確にしたうえでいざ提出にいこう
アポが取れたらあとは当日に警視庁へ伺うのみ!
直接少年係に行くのではなく受付で取り次いでもらう必要があるので、少し早めに到着するようにしましょう。
届出を受理するうえで警視庁の方が特に気にされるのは「18歳未満の児童がサービスを使用できないように徹底管理されているか」です。
出会い系サイトが児童の犯罪に繋がったケースは過去に多くあるため、ここはかなり厳しめに確認されます。
提出書類に不備がなくても口頭で色々と確認されるので、18歳未満の確認方法についてはキッチリと明確にしておきましょう。
すべて問題なければ届出を受理していただくことができます。
ちなみに僕らの場合は「クレジット決済による年齢確認」「パスワード・IDによるログイン毎の本人確認」の2つの組み合わせによって管理方法に問題なしと判断いただけました。
クレジット決済や身分証提出だけでは提出者の年齢確認しかできず、その後に他の人が利用する可能性を排除できていないと判断されるため、ログイン毎にID・パスワードの入力が必須であることを加えることで承認をいただくことができました。
届出を受理してもらえたら、翌日よりインターネット異性紹介事業を運営することが可能です。
おわりに
以上、今回の記事ではインターネット異性紹介事業について届出の作成から受理までの流れを完全解説いたしました。
僕自身も届出をおこなううえで分からないことや二度手間になることが多々あり苦労したので、、、これから提出される方にとって少しでも参考になれば幸いです。