ファンを育てるために必要な要素とは【はじめての集客で知っておくべき考え方③】
おはようございます、ゾノ( @ozonosho )です。
さて、昨日のコラムに続いて今回も「はじめての集客で知っておくべき考え方」をご紹介いたします。全5回にわたって紹介していきますので最後までお付き合いいただけますと幸いです。
第3回目となる今回は『ファンを育てるために知っておくべき考え方』がテーマ!
はじめのコラムで掲載した「集客のサイクル図(※下図)」の③の部分に当たる内容となります。
さて、前回ご紹介したとおり、事業の売上の内訳を見てみると「わずか3割のお客さんが売上全体の75%を占めている」というのが平均数値です。
この3割のお客さんはいわゆる「ファン」と呼ばれる方々で、リピーターの中でもとりわけ来店頻度や購買単価が高い人たちのことを指します。
ファンは新規のお客さんとは求めているものが異なります。そのため提供するサービスについても、新規のお客さんとファンとでは分けて考える必要があります。
そんなわけで、ファンが求めているものからファンを育てる方法まで詳しく解説していきますので、どうぞ最後までお付き合いください。
ファンがお店に求めているものとは?
先ほども書いたとおり、ファンがお店に求めているものは新規のお客さんが求めているものとは異なります。
たとえば割引キャンペーンをしたときに「お、安くなっているから利用しようかな」と思うのはファンよりも新規のお客さんのほうが多いです。ファンの場合、ただ割引をするだけでは来店率にそこまで影響がありません。
つまり、『ファンは価格ではないところに価値を置いている』ということです。
1つ例を挙げてみます。
下記2つのカフェのうち、あなたはどちらのカフェをよく利用するでしょうか?そして、友達を連れていくならどちらのカフェでしょうか?
①ごはんが美味しくて値段が安いカフェ
②ごはんが美味しくて値段は普通だけど、自分の好みや趣向を認識して料理をおすすめしてくれたり、自分のことを覚えてくれているカフェ
人見知りの方の場合はすこし迷うかもしれませんが、たいていの方は②のカフェを選びます。どちらのお店も味は変わらず、①のほうが値段は安いのにもかかわらずです。
なぜ②のカフェが選ばれるのかというと『自分を大切にしてくれている』からです。
たくさんいるお客さんの中の1人ではなく、1人の特別な存在として大切にされていることが伝わるからです。
人は自分を1人の存在として大切に扱われていることを感じると、そのお店のファンになります。
(これはお店に限らず、すべての人間関係に言えることかもしれませんね^^)
ファンが求める2つの要素
では、ファンの人はどういったときに「自分を大切にしてくれている」と感じるのでしょうか。
それは、以下2つの要素が満たされたときです。
- 特別感を感じられる
- 所属意識を感じられる
それぞれ簡単に説明します。
- ①特別感を感じられる
-
繰り返し利用してくれるお客さんほど特別扱いされるような仕組みや、他のお客さんからもその特別扱いが見えるような仕組みがあると喜ばれます。
(例)プラチナ会員(ランクアップの仕組み)、会員限定サービス、裏メニュー、名前で呼んでもらえる、お店に表彰される、など
- ②所属意識を感じられる
-
繰り返し利用してくれるお客さんほどお店の一員であることを感じられるような仕組みや、お客さんがお店を応援できてそれをダイレクトに感じられる仕組みがあると喜ばれます。
(例)マイボトル、一日店長、ブログで常連客紹介、スタッフごとのメニュー作成と投票機能、ファン共通の印(サポーターユニフォーム)、など
こんなふうに、特別感や所属意識を感じられるサービスを提供してもらえるとお客さんは自然と「ここは自分を大切にしてくれているお店だ」と感じてくれます。
お店のファンを作りたいときには、値段に訴えかける取り組みよりも1人1人の心に訴えかける取り組みのほうがはるかに効果があるってことですね。
【重要】そもそもお客さんを一律に扱うことは平等ではない
実は、特別感を感じられるサービスや所属意識を感じられるサービスというのは世の中の至るところに存在しています。
常連さんを名前で読んだり、常連さんの誕生日を祝ったり、マイボトルがあったり、常連さんをブログで紹介したりするようなお店。きっと一度は見かけたことがあると思います。
大手企業でさえ、会員のランクごとにサービスを分けるのは当たり前です。有名な話ですが、JALでは会員のランクによって無料で利用できるラウンジがあったり、リッツカールトンでは利用金額の大きいロイヤルカスタマーにたいして専用のドリームチームを組んでサービスを提供したりしています。
お客様を平等に扱うことが大事だと言いながらも、あきらかに新規客とファンとで待遇を分けています。
ファンを特別扱いすることは、ある意味でとても平等なこと
ここでお店側の立場に立ってみましょう。
当たり前ですが、お店の経営はお客様からの売上によって成り立っています。そして、冒頭で紹介したとおり「わずか3割のお客さんが売上全体の75%を占めている」というのが実際の状況です。
そういった状況の中、お店は少ない予算のなかでなるべくお客様に利益を還元して付加価値を提供しようと心がけます。
このとき予算として割ける金額は当然ながらお客様からの売上によって生じています。
年間1,000円を割いてくれたお客様と、年間1,000,000円を割いてくれたお客様とでは、予算にたいして貢献してくれている割合が違うわけです。
それにもかかわらずすべてのお客様にたいして同じ金額だけ還元してしまったら、、、それは「一律だけど平等ではない」ということです。
つまり、ファンを特別扱いすることは、ある意味でとても平等なことなんですよね。
ちなみに、世の中には「常連にはサービスがないのに新規には無料キャンペーンをおこなっている」みたいなケースがよくあります。美容院みたいに一度入ってもらえれば深く人間関係が築けるモデルならまだ良いですが、そうでないモデルならこれはやってはいけない悪手です。
新規を集めたいのであればまずは常連さんにたいして紹介を促進するキャンペーンをおこなったり、どうしても新規を優遇するキャンペーンを行う場合には常連さんが「自分の時には無料キャンペーンなんて無かったな…」という不満が沸かないぐらいの常連向けサービスを同時におこなったりしないと、長期的に見た時にはファンが離れる動機になってしまいます。
そんなわけで、『ファンを育てるときには必ずファンを一番大切にするような設計』を心がけることが大切です。
今回は実店舗をベースにして説明しましたが、実店舗だけでなくwebサービスでも利用できる考え方なので、ぜひご自身のサービスに合わせて活用してみてください。
おわりに
以上、今回はファンに育てるために知っておくべき考え方を解説いたしました。
明日のコラムでは『紹介・口コミを生むために知っておくべき考え方』を紹介するので、ぜひご覧いただけると嬉しいです。
それでは今日も素敵な一日をお過ごしください(*´`)