新規客を集めるための5つのステップ【はじめての集客で知っておくべき考え方⑤】
おはようございます、ゾノ( @ozonosho )です。
さて、昨日のコラムに続いて今回も「はじめての集客で知っておくべき考え方」をご紹介いたします。全5回にわたって紹介していきますので最後までお付き合いいただけますと幸いです。
いよいよ最終回となる今回は『新規客を集めるために知っておくべき考え方』がテーマ!
はじめのコラムで掲載した「集客のサイクル図(※下図)」の①の部分に当たる内容となります。
新規客を集めることは、集客において最難関と言われます。
一度でも自分でサービスを立ち上げたことがある人であれば伝わると思いますが、ノーブランドのお店にゼロから新規客を集めるというのは本当に難しいことです。
ここで紹介する方法を実践したとしても確実に集客できるという保証はできません。それでも、集客できる可能性を上げることはできると確信しています。
そんなわけで、今回は新規集客をおこなうときに大切な考え方から具体的なアプローチまで解説していきます。
新規客を集めるときにまず知っておくべきこと
新規客を集めるときに体系的な知識を身につけていないと、思いつくまま色々なことに時間とお金を割いてしまいます。
あるときはチラシを配ってみたり、あるときはブログを書いてみたり、あるときはSNSを始めてみたり、あるときは限定商品を作ってみたり、完全に「数打てば当たる戦法」です。僕がはじめてカフェを開業したときはまさにこれでしたw
数打てば当たる戦法でもうまくいくことはありますが、1つ1つの施策を実施するためには時間もお金もかかるし、日々家賃や人件費も発生するので、経営にはタイムリミットがあります。できることなら、当たりやすい打球を見極めて打席に立ちたいところです。
そのためには、『リピートしやすい新規客をなるべく費用対効果高く集める』という考え方が必要になります。
当然と言えば当然の話ですが、何でもかんでも人を呼ぶのではなく、はじめからそもそもリピートしやすい人を集めることが大切になります。
そして、限られた時間とお金のなかでそういった人たちになるべく多くアプローチできる方法を選択することが大切になります。
そのための具体的な方法をご紹介いたします。
リピートしやすい新規客を費用対効果高く集めるための5ステップ
リピートしやすい新規客を費用対効果高く集めるためアプローチは、下記の5ステップになります。
- ペルソナを明確にする
- ペルソナをターゲット属性に分解する
- 各ターゲット属性にたいして影響力を持っている人を特定する
- 優先順位を決める
- 具体的な施策を考えて優先順位順に実施する
各ステップについて実例を取り上げながら解説していきます。
ステップ①
ペルソナを明確にする
まずはじめにおこなうことは「リピートしやすい人」を特定することです。そのためにペルソナを明確にします。
ペルソナとは、『サービスを利用するお客さんの中で最も重要な人物モデル』のことを指します。
開業前であれば架空の人物モデルを想像する形になりますが、もしすでにお店を理想のお客さんがお店を利用してくれている場合であればその人を取り上げると良いです。
たまに「ターゲットは20代男性です!」みたいなアバウトなターゲット設定のお店がありますが、20代男性なんて1人1人みんなライフスタイルも性格も違うし、そもそも普段利用しているお店だって違いますよね。
そんなアバウトなターゲット設定では自分のお店をリピートしやすい人を特定することはできないので、ペルソナを考えるときには誰が読んでも同じ人物像をイメージできるぐらい詳細に書くことがポイントになります。
実際に僕が運営している不登校生の保護者向けサイト『未来地図』のペルソナを紹介すると、下記のような設定をしています。
- 上山さん
- 40歳、主婦。
パートの仕事で日中は基本外に出ている。
中高一貫校に通う中学二年生の息子と小学四年生の娘がいる。
息子だけ不登校。
息子は中学2年の5月頃から学校に行かなくなりはじめる。学校から提案された保健室登校も1ヵ月ともたず、現在は家に引きこもり状態。
家ではスマホゲーム・ネットゲームばかりしており、完全に昼夜逆転。
子どもは不登校になった原因を教えてくれず、学校の話をすると機嫌が悪くなるため、息子が何を考えているのか分からない。
また、どう接すれば良いのかも分からない。
今の状態が続くと復学や進学がどんどん難しくなっていってしまうので、子どもの今後のためにも親として何かしてあげないといけない気持ちで焦る。だけど、何をしたら良いのか、どうやって接したら良いのか分からない。
また、子どもがつらいのは分かるが「自分自身でも少しは前向きに行動してほしい」という感情もあるため、塞ぎこんでいるならまだしも家で楽しそうにゲームばかりしている姿を見るとイライラすることも多い。
親としては、できることなら復学してほしい。
それが無理だとしても、せめて何かやりたいことや将来につながることを見つけて徐々にでもそれに取り組んでいってもらいたい。
旦那はあまり協力的ではない。
不登校であることを否定はしないが関与もしてくれない。
私だって仕事で疲れているのに「自分は仕事で疲れているから」という態度。
ストレス。
担任は悪い人ではないが学校からは頻繁に電話で確認がくる。
「お子さん今日は来れそうでしょうか?」と言われても「そんなのこっちが知りたいよ」と思う。
ストレス。
周りには相談できる人がいない。
そもそも周りの親で不登校生を抱えている親の知り合いなんていないし、そういった子育て経験を持つ親の知り合いもいない。
何をどうすれば良いのかヒントが何もなく、息子だけでなく自分も八方ふさがり。
そんな状況なので、ネットで「不登校 相談」「不登校 対策」「不登校 体験談」「フリースクール」「通信制高校」などのキーワードを検索してこのサイトにたどり着く。
あくまでも一例ですが、上記の上山さんのようにお店にとって重要な人物像を具体化しておくと「リピートしやすい人」を特定できます。
ここからはこの上山さんを例にして、「限られた時間とお金のなかで上山さんのような人に未来地図のことを知ってもらうにはどうしたら良いのか」という部分を解説していきます。
ステップ②
ペルソナをターゲット属性に分解する
先ほど紹介した上山さんはものすごくリピートしてくれそうな人物像ですが、この人物像のまま集めようとすると「こんなドンピシャな人どこにいるんだよw」と困ってしまうと思います。
そこで次に、『ペルソナをターゲット属性に分解する』という作業をおこないます。
先ほどの上山さんの人物像を「不登校中の子どもがいる母親」とか「子どもがスマホやゲームに依存して困っている母親」みたいな感じで、1つ1つの要素ごとに区切って分けていく作業です。
実際に上山さんをターゲット属性に分解してみると、こんな感じになります。
- 未来地図のターゲット属性
-
- 子どもが不登校の親
- 子どもが保健室登校の親
- 不登校の子が昼夜逆転の親
- 不登校の子がゲーム三昧の親
- 不登校の子の心理を知りたい親
- 不登校の子への接し方が分からない親
- 不登校の子にたいして親として何をしてあげられるのか悩んでいる親
- 不登校の子へのイライラが募っている親
- 不登校の子の将来を心配している親
- 不登校の子に復学してほしい親
- 旦那が子育てに協力的でないママ
- 仕事しながら子育てをおこなっているママ
- 子が不登校中の学校とのやり取りにストレスを抱えている親
- 不登校の子のことを相談できる人が周りにいない親
- フリースクールの情報を探している親
- 通信制高校の情報を探している親
こうして分解してみると、たとえばネット上でどういうキーワードで検索しているかイメージしやすいし、それぞれのターゲット属性の人がどこに集まっているのかもイメージしやすくなります。
つまり、上山さんを上山さん1人のまま探そうとするよりも、上山さんを16個の要素を持つ人に分解して(すごい日本語ですねw)それぞれ探すほうが見つけやすいってことですね。
こうやってターゲット属性を洗い出したあとは、この16のターゲット属性について集客方法を考えていくわけですが、、、
その前に、ターゲット属性を洗い出す作業はもう少し深堀りすることができるので、先に深堀り作業をおこないます。
ステップ③
各ターゲット属性のリストを持っている人を特定する
先ほど上山さんを16のターゲット属性に分解しましたが、新規集客の対象の幅を広げるためにもう1つ作業をおこないます。
それが、『ターゲット属性のリストを持っている人も対象に含める』という作業です。
いまいちピンとこないと思うので、実例を挙げながら説明します。
たとえば先ほどのターゲット属性「①子どもが不登校の親」を取り上げてみます。
このターゲット属性を集めようと思ったときに、不登校生の親を探して一人ひとりに声をかけていくよりも、不登校生の親たちが集まっているサイトの運営者に紹介してもらうほうが一度にたくさんの不登校生の親にアプローチできることが想像できます。
このように、ターゲット属性に当てはまる人に直接アプローチするだけでなくターゲット属性に当てはまる人たちが集まっている場所を運営する人(=リストを持っている人)にもアプローチすることで、より新規集客の対象の幅が広がります。
ではどうすればターゲット属性のリストを持っている人を特定することができるのでしょうか?
それは、下記3つの質問に答えるだけです。
- ターゲット属性のリストを持っている人を特定するための3つの質問
-
Q1.ターゲット属性から憧れられている人は?
Q2.ターゲット属性にたいしてしゃべる職業の人は?
Q3.ターゲット属性が集まる場所やSNSを運営している人は?
この3つの質問に答えて出てきた対象を、はじめに作った16のターゲット属性に加えれば『リピートしやすい新規客を集めるための対象リスト』が完成します。
実際に未来地図で最終的に出来上がったリストはこんな感じです。
- 未来地図の対象リスト
-
- 子どもが不登校の親
- 子どもが保健室登校の親
- 不登校の子が昼夜逆転の親
- 不登校の子がゲーム三昧の親
- 不登校の子の心理を知りたい親
- 不登校の子への接し方が分からない親
- 不登校の子にたいして親として何をしてあげられるのか悩んでいる親
- 不登校の子へのイライラが募っている親
- 不登校の子の将来を心配している親
- 不登校の子に復学してほしい親
- 旦那が子育てに協力的でないママ
- 仕事しながら子育てをおこなっているママ
- 子が不登校中の学校とのやり取りにストレスを抱えている親
- 不登校の子のことを相談できる人が周りにいない親
- フリースクールの情報を探している親
- 通信制高校の情報を探している親
- Riz(僕が運営していたフリースクール)
- ココトモ(僕が運営している相談サイト)
- 不登校系キーワード上位サイトの運営者
- スクールカウンセラー
- 学校の先生
- 親の会の主催者
- 不登校ママブロガー
- 不登校ママインフルエンサー
- 元不登校生ブロガー
- 元不登校生インフルエンサー
- 不登校関連本の出版者
- フリースクールの運営者
- 通信制学校の運営者
- 不登校専門の家庭教師
- カウンセラー
なかなかの数に増えました。
ここに並べている対象であればどこにアプローチしても未来地図に興味を持ってもらえますが、さすがに対象が31もあると同時にすべてアプローチするのは難しいと思います。
そんなわけで、次はこの対象リストにたいして優先順位をつけていきましょう。
ステップ④
優先順位を決める
優先順位を決めるためには、下記2つの軸を利用します。
- 優先順位を決めるための2つの軸
-
①影響力
②難易度(見つけ易さ+営業成功率)
影響力は、「その対象にアプローチできたときにどれだけペルソナに近い人を多く集めることができるか」という軸になります。
難易度は、「その対象がどこにいるのか特定する難しさ」と「その対象にアプローチしたときに成果が出る可能性」を掛け合わせた軸になります
たとえば、文科省に未来地図のサイトを推薦してもらえればメチャメチャ影響力が大きくてバンザイなわけですが、営業成功率は限りなくゼロに難しいので、優先順位を決めるときには2つの軸をどちらも見てあげる必要があります。
実際に優先順位を決めるときには、下図のような表を使うと便利です。
(サンプルとして未来地図の対象リストを入れています)
こんな感じでマッピングすると、どの対象の優先順位が高いのか判別しやすくなります。右上に近いものほど優先順位が高いということですね。
ちなみに、各対象を表の中のどこに割り振るかは自分の感覚で大丈夫です。
たとえば「有名インフルエンサー」という対象1つにしても、仲良い友人に有名インフルエンサーがいる人にとっては難易度が低くなります。自分の持っている人脈や独自資源によって各対象にアプローチする難易度は変わってくるので、自分の感覚でしか割り振れないんですよね。
ステップ⑤
具体的な施策を考えて優先順位順に実施する
優先順位を決めることまで出来たら、あとは優先順位の高い順に具体的な施策を考えて取り組むのみです。
はじめは上位10位に入る対象ぐらいから取り組むと良いかもしれません。
その対象にたいしてどういったアプローチをして新規客を集めるかは自分が思い浮かぶもので大丈夫です。
たとえば未来地図だと優先順位の1位が「Riz(僕が運営していたフリースクール)」で3位が「フリースクール運営者(Riz以外)」ですが、それぞれ下記のような感じでアナログに施策を考えました。
- Rizへの施策
-
・RizのLINE@で未来地図のPRを配信してもらう
・Rizのブログに未来地図オープンのお知らせを投稿させてもらう
etc…
- フリースクール運営者への施策
-
・一緒に保護者向けコラムや保護者向けイベントを企画しないか提案してみる
・まずは未来地図のサイトに各フリースクールの情報を掲載したうえで相互掲載してもらえないかお願いしてみる
etc…
ここでも自分の持っている人脈や独自資源によって取れる施策が変わってくるので、自分が出来ることの範囲でそれぞれ施策を考えてみてください。
そして、対象ごとに取り組む施策まで決めることができれば、あとは優先順位の高い順に実施するのみです!
準備には少し手間がかかりますが、実際にこの5つのステップで取り組んでいただければ精度の高い新規集客ができることを実感してもらえるはずです。
余談ですが、『今回作成した対象リストはそのまま検索キーワード広告のリストとしても利用できる』ので、ネットで集客する場合にはより一層おすすめです。
おわりに
以上、今回は新規客を集めるために知っておくべき考え方を解説いたしました。
全5回にわたって「はじめての集客で知っておくべき考え方」を掲載してきましたがいかがでしたでしょうか?
これから集客をはじめる方や現在集客につまづいている方にとって、このコラムの内容が少しでも参考になれば幸いです。
それでは今日も素敵な一日をお過ごしください(*´`)